ソロモン宇宙協会(Solomon Space Association)研究所 -「ロケットガール」ファンサイト-

ロケットガールRPG

ソロモン諸島で国産衛星を打ち上げようとする第三セクター<ソロモン宇宙協会>、通称SSA。この怪しげな団体に、父親を探しにやってきた女子高校生が出会ったことから物語ははじまる―。


ロケットガールRPG

野尻抱介当人のゲームデザインによるテーブルトークRPG。イラストは山内則康ほか。

野尻抱介の宇宙開発SF『ロケットガール』がモチーフ。作者である野尻抱介自身がゲームデザインを行っている(彼は作家デビューする前はゲームデザイナーであった)。ロケットを使って宇宙に行きミッションをこなし地球に帰還するまでの一連の流れをマギウスのルールを使って遊ぶゲーム。プレイ感覚としてはフライトシミュレーションゲームに近いものがある。原作同様に宇宙開発に携わる職業のリアルさが意識されているが、それを煩雑にすることなくマギウスのルールで軽量に表現している。特にロケット発射にいたるまでの準備作業をも忠実にゲームに組み込んだデザインセンスは秀逸で評価が高い(エンジン点検などはもちろんのこと、パイロットの健康診断までゲームに組みこまれている)。現在でも原作と関係なくファンが多いゲームでマギウスの中では異彩を放っている。

おすすめ情報

テーブルトークRPG『マギウス』

マギウス(MAGIUS:Multiple Assignable Game Interface for Universal System)とは、富士見ドラゴンブックで展開されていた汎用テーブルトークRPGのルールのこと。1995年から1998年までの間にアニメやライトノベルを原作にしたタイアップもののゲームがマギウスのルールを用いて多数作られた。

マギウスは、シンプルな基本ルールを基幹にし、そこにゲームの舞台となる世界観にあわせたオリジナルルールを組み込むことで、様々なゲームをルールを新たに学習することなく遊べるようにしようというコンセプトで開発されたルールである。 マギウスという名前の元になっている"Multiple Assignable Game Interface for Universal System"の日本語訳が「普遍的なシステムのための複合の割り当て可能なゲーム・インターフェース」となっていることからもそのコンセプトが伺える。

マギウスは徹底してライトユーザー向けに特化したシリーズであり、普段テーブルトークRPGをやらないような層でも簡単に遊べるゲームという方向性が重視された。ゲームプレイは数十分から2時間程度で終わるものが多く、ゲームに必要な準備なども極力少なくてすむように工夫されている。アニメやライトノベルを原作にしたメディアミックス作品が多数を占めるのも普段ゲームをやらない層へのアピールを意識したからと言える。

そのようなコンセプトのためマギウスを使用した多くのゲームは、テーブルトークRPGが本来的に持っている煩雑さを極力無くすようにデザインされた。中にはプレイヤーキャラクターが行える行動を限定しているものや、ゲームマスターを廃しているものも存在する。テーブルトークRPGというよりボードゲームに近いプレイ感覚のものが多かったのも特徴である(このコンセプトはRPG福袋シリーズに通ずるものがある)。

マギウスは、一人プレイを行うためのゲームブック形式の「ソロプレイ」と、通常のテーブルトークRPGと同じく多人数プレイを行うための「マルチプレイ」の両方の遊び方ができるのも特徴で、「ソロプレイ」と「マルチプレイ」のどちらを重視しているかはサプリメントごとに異なっている。

ルールシステム

マギウスの基本になっている『マギウス・ベーシック』のルールは至極シンプルである。基本の行為判定は「六面体サイコロを二個振った出目の合計が能力値を足し合わせて、GMが指定した難易度以上が出れば成功」というものである。もしもその行為判定に関係する技能を所持していれば、六面体サイコロを三個振れてそこから任意の二個の出目を選ぶことができる。

能力値や技能は舞台になる世界によって決定することになっており、どのサプリメントで遊ぶかによって全く違う能力値や技能が使われる。そのようなわ けでマギウスのゲームを遊ぶための実際のルールは各サプリメントに掲載された追加ルールの方が比重が高い。マギウスの基本ルール自体は実に文庫本15ペー ジに収まるものになっている。

ガープスとの関係

テーブルトークRPGの汎用ルールの代表としてガープスが存在する。マギウスというゲームはその名前からも想像できるように、ガープスを強く意識しているものである。マギウスの発売当時はマギウスを「日本版のガープス」として期待する声も多かった。[要出典]

しかし、マギウスとガープスはそのあり方が大きく異なる。マギウスはガープスのように「基本ルールに各種サプリメントを組み合わせることで、ジャンルを越えて使用できるルール」にはなっていない。マギウスは各種サプリメント同士を組み合わせることはできない。『MAGIUSスタートブック』と任意のサプリメント一個だけで、一つの完結したゲームを遊ぶようになっている。各種サプリメント同士に互換性はなく、あるサプリメントに載っているルールと他のサプリメントに載っているルールやデータは基本的には混ぜて運用できない(一部例外は除く)。

これは、ガープスが「ユーザーが遊ぶ世界を無限に広げていける」ために汎用ルールを使用しているのに対して、マギウスが汎用ルールを使っているのが 「ユーザーがルールを新しく覚える手間を極力なくす」ためだからである。そのためマギウスではゲームが複雑化する要因を徹底して排除している。サプリメン トが一個で完結しているのもそれゆえである。汎用ルールというものに対する考え方がガープスとマギウスでは全く違うのである。

作品リスト

基本的にマギウスは富士見ドラゴンブックにより文庫サイズで販売された。ただし、「でかマギスレイヤーズ」のみA4版ソフトカバーである。

スタートブック以外はサプリメント扱いなのだが、実際にはサプリメントこそが本体でスタートブックがおまけである。スタートブックのルール部分の内容は暗記できるほどわずかなので、慣れればサプリメントだけでゲームを遊ぶことも可能。

スタートブック
  • MAGIUSスタートブック (富士見書房編集部)<13-1>
スレイヤーズ系列

『スレイヤーズ』は神坂一のライトノベルのシリーズ。現在に至るまでライトファンタジーというジャンルを代表している大物シリーズである。

スレイヤーズ系列はマギウスの原作の中では看板タイトルであり、量もかなり多い。ゲームデザインはORGの中澤光博が中心になって行われていた。スレイヤーズというタイトルがテーブルトークRPGと親和性が良いこともあって、スレイヤーズ系のマギウスは多くのシリーズが作られた。

  • スレイヤーズRPG―ナーガ様といっしょ (中澤光博/ ORG) <13-4>
  • だんぢょん大作戦(オペレーション)!―スレイヤーズRPG (中澤光博/ ORG)<13-8>
  • 入門!リナの魔法教室―スレイヤーズRPG (中澤光博/ ORG)<13-15>
  • ナーガ様がいっぱい―MAGIUSスレイヤーズRPGリプレイ集 (中澤光博/ ORG)<13-17>
  • 聖王都(セイルーン)あどべんちゃあ―スレイヤーズRPG (中澤光博/ ORG)<13->
  • お宝くえすと スレイヤーズRPG (中澤光博/ ORG)<13->
  • でかマギスレイヤーズ! (山北篤)
天地無用!系列

『天地無用!』はAIC製作のアニメーション。いわゆるハーレムアニメの走りである。OVA、TVアニメ、劇場用アニメにスピンオフ作品と多様な展開をされた。

天地無用!系列のマギウス作品のゲームデザインはスタジオ実験室の泥士朗が中心になって行われた。

  • 天地無用!RPG―天地争奪戦 (泥士朗/スタジオ実験室) <13-5>
  • 騒動無用!―天地無用!RPG (泥士朗/スタジオ実験室) <13-11>
  • 天地無用!in LOVE RPG (たのあきら)<13-14>
  • 天地無用! 漂流記 MAGIUS天地無用! RPGリプレイ集 (泥士朗/スタジオ実験室) <13-16>
  • 魔法少女プリティサミーRPG (泥士朗/スタジオ実験室) <13->
新世紀エヴァンゲリオン系列

ガイナックス製作のSFアニメ『新世紀エヴァンゲリオン』がモチーフ。1990年代のサブカルチャー界を席巻した大作で、関連するメディアミックス作品が山のように存在する。マギウスもその中の一つである。

新世紀エヴァンゲリオン系列のマギウス作品のゲームデザインはスタジオ実験室の泥士朗が中心になって行われた。

同時期に角川書店より発売されたテーブルトークRPG『新世紀エヴァンゲリオンRPG』シリーズと混同されることが多いが、全くの別物である。

  • 新世紀エヴァンゲリオンRPG―決戦!第3新東京市 (泥士朗/スタジオ実験室) <13-13>
  • 新世紀エヴァンゲリオンRPG〈2〉使徒接近! (泥士朗/スタジオ実験室) <13->
  • 使徒、撃滅!―MAGIUS新世紀エヴァンゲリオンRPGリプレイ集 (泥士朗/スタジオ実験室) <13->
魔術士オーフェン系列

『魔術士オーフェン』は秋田禎信のライトノベルのシリーズ。『スレイヤーズ』と並ぶ、ライトファンタジーというジャンルの代表作である。

  • 魔術士オーフェン 私闘編 (高平鳴海) <13->
  • 魔術士オーフェン 野望編 (高森健一) <13->
その他の原作もの
  • 五竜亭RPG―五竜亭の大騒動! (富永民紀/冒険企画局)<13-2>
  • セイバーマリオネットJ‐RPG―ぼくだけのアリシア (Studio PACCHI)<13-10>
  • サイレントメビウスRPG (山北篤)<13-9>
  • モンスターメーカー学園RPG〈学園祭編〉 (藤浪智之)<13-3>
  • ロケットガールRPG (野尻抱介)<13-6>
  • 蓬莱学園RPG―蓬莱83分署 (賀東招二)<13-7>
  • ゲットレディ、GO!―それゆけ!宇宙戦艦ヤマモト・ヨーコRPG (久保田悠羅/F.E.A.R.)<13-12>
  • 魔法学園LUNAR! RPG (鈴木猛) <13->
  • MAZE☆爆熱時空RPG (たのあきら/ F.E.A.R)<13->
  • ロストユニバース 芸夢轟く (中澤光博/ ORG)<13->
  • 機動戦艦ナデシコ―ときめき『キッス』は誰のもの!? (設楽英一/ F.E.A.R.)<13->
オリジナル作品
  • 町内防衛隊RPG―空想科学MAGIUS (小野洋一)<13->

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